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ものづくり太郎氏×田中剛が語るPLMとBOM戦略#3

「PLMとBOMが製造業の未来を決める——データ駆動型経営の本質とは」

パート3では、デジタル変革(DX)の本質とは何か?製造業におけるPLMの重要性と、経営の意思決定におけるBOM活用の可能性を深掘りします。PLMとBOMの重要性を通じ、製造業のデジタル変革と経営改革の必要性を議論する対談となっています。

本ページはYouTubeチャンネル アーティザンな人たちものづくり太郎氏×FutureArtisan社長田中剛が語る製造業の競争力を支えるPLMとBOM戦略 その3」の要約版です。

↓↓YouTubeで全編を観る↓↓
https://youtu.be/n9oIde_-xIs?si=lYP1qPXp4m71TbnP


目次[非表示]

  1. PLMこそがDXの本質
  2. BOMを情報の母艦にせよ
  3. PLM導入のカギはトップの意思決定
  4. 愛と情熱がなければ改革は進まない
  5. 製造業の未来を左右するPLMの役割


PLMこそがDXの本質

田中
ものづくりにおけるDXの本質について議論していきましょう。

ものづくり太郎氏
DXといえば「帳表をデジタル化した」とか「成功事例を作った」とか言う人がいますが、それは本質じゃない。PLM(プロダクトライフサイクルマネジメント)こそがDXの本質です。PLMを通じて、経営者が迅速に意思決定できるようにすることこそが、DXの目的なんです。

日本の製造業は、これまで人の手で情報を転写し、何度も検証作業を重ねることで管理してきました。例えばとある自動車部品製造業では、E-BOM(設計BOM)からBOP(製造工程BOM)まで意思を伝えるのに10回以上の転写が行われています。これではミスも増えるし、原価も把握できない。この仕組みを見直す必要があります。


BOMを情報の母艦にせよ

田中
今の日本の現場では、情報の転写が仕事になってしまっている。でも本来、転写が目的ではないはずです。

ものづくり太郎氏
転写ではなく、BOMに情報を集約するべきです。例えば、生産技術者はこれまで2D図面をベースに調整してきましたが、その情報をBOMに直接還元するべきなんです。2Dでも3Dでもどちらを使うかは自由ですが、大事なのは情報の一元管理です。

田中
そう。図面ではなく、BOMを情報の母艦にすることが重要ですね。

ものづくり太郎氏
でも世の中には「3Dを使うことが目的」になっている企業もあります。本来は、社内の文化に合った形で情報を管理し、競争力を高めることが大事なんです。


PLM導入のカギはトップの意思決定

田中
PLM導入の成功例を見ても、設計部門のリーダーではなく、事業のトップが主導したケースが多いですね。単なるPDM(図面管理)のリプレイスではなく、情報の流通をどう最適化するかが鍵です。

ものづくり太郎氏
トップの「腹くくり」が必要ですね。ある企業では、社長が私の動画を幹部全員に送って、PLMの重要性を理解させたそうです。結局、経営者が「なぜPLMを導入するのか」を理解して、強い意思決定をしない限り、変革は進みません。

田中
部長クラスで「やりたい」と思っている人は多い。でも、それを経営レベルに引き上げなければ意味がないんです。

ものづくり太郎氏
その通り。経営トップが「俺がやる」と決めたとき、初めて成功するんですよ。


愛と情熱がなければ改革は進まない

ものづくり太郎氏
DXを進めるには、情熱が必要なんです。情熱のある人に人はついていく。昭和っぽい発想かもしれないけど、愛と情熱がないと組織は変わりません。

田中
確かに、「この改革を次世代に残す」という愛が大事ですね。

ものづくり太郎氏
そう。結局、経営改革って「愛」ですよ。愛があれば「俺が責任を持ってやる」という決意につながるし、その決意が成功を引き寄せる。

田中
PLMの導入は一瞬で成果が出るものではないけれど、5年、10年かけて成果を生むもの。その長期視点が必要ですね。

ものづくり太郎氏
そうですね。どの領域を優先するかを決め、2〜5年かけて改革を進めていくことが大事です。


製造業の未来を左右するPLMの役割

田中
今日の対談を通じて、PLMが日本の製造業にとってERP以上に重要であり、経営レベルでの意思決定が不可欠であることが伝わったと思います。

ものづくり太郎氏
PLMとは単なるITシステムではなく、製造業の未来を決める経営戦略です。今こそ日本の製造業が本気で取り組むべきテーマですね。




ものづくり太郎氏

株式会社ブーステック代表取締役/製造業系YouTuber
大学卒業後、大手認証機関入社。その後はミスミグループ本社やPanasonicグループでFAや装置の拡販業務に携わる。 2020年から本格的にYouTuberとして活動を開始。製造業や政治経済、国際情勢等のテーマを解説する動画が製造業関係者の間で話題に。 2024年4月1日にはKADOKAWAより、初の著書『日本メーカー超進化論~デジタル統合で製造業は生まれ変わる』を出版。講演や国内外での取材も積極的に行う。


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