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【未来予測レポート2040先出し】その4 AIによる”モノづくりのやり方”と“経営の仕組み”の変化

DXの本質は「ビジネスモデルの変革」:サブスクリプション型への移行は不可避

本対談では、DX(デジタルトランスフォーメーション)の本質が、単なるデジタル化ではなく、ビジネスモデルの変革にあることを強調します。AIと「クラウドロニクス」(AI、ロボット、IoTの統合)が前提となる未来では、製造業の「モノづくり」も物販モデルからサブスクリプション(サービス提供)モデルへと根本から変わります。テスラやAppleの事例を引き合いに出しながら、持続的な成長のためには継続的なアップデートと協調型経営が不可欠であることを論じます。

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https://www.youtube.com/watch?v=nzzfTmfEJ_c

DXの真の定義:出版業界の例から学ぶ「ビジネスモデルの変革」

田中 剛
DXという言葉は浸透しましたが、「とはいえ、あんまり変わってないよね」と感じている方も多いと思います。AIの話を聞くと変わっていてもいいはずなのに、と。その辺りいかがですか。

田中 栄 氏
DXってあっちこちに聞きますけど、本当に意味分かってるの?というのは僕が問いたいんですよね。DX(デジタルトランスフォーメーション)はデジタル化という一言で言われますが、デジタイゼーション、デジタライゼーション、あとデジタルトランスフォーメーションという次元があって、今分かっていなきゃならないのはまさにデジタルトランスフォーメーションです。

出版業界で言うと、手書きで書いていた人がワープロを使い始めたのがデジタイゼーション。編集部で構成や編集をやるのがデジタライゼーション。デジタルトランスフォーメーションというのは、出版が電子出版になって、紙じゃなくてデジタルでやるということ。それによってただ単に紙がデジタルになるだけじゃなくて、ビジネスモデルが変わるんです。

出版が瞬時にできて、グローバルで一気に展開できるようになり、フィードバックが返ってきて次を作りやすくなった。デジタル化の波で街の書店が潰れても、トップの講談社とか集英社とかは、実はこの10年ずっと伸び続けています。デジタル化というのは、そのやり方を変える、本質を変えるという話なんです。

製造業における「物販」終焉とサブスクリプションの必然性

田中 剛
その視点で製造業を見ると、どのような変化が起きるでしょうか。

田中 栄 氏
まず前提として、ものづくりは絶対に無くならない。モノはどんなに進化しても無くならない。ただ、モノの作り方、価値の作り方、ものづくりという言葉の中身が変わるんです。AIはビジネスモデルを思いっきり変えるドライバーになります。

単純にAIになって効率的に作るだけではない。データを通じてリアルタイムにニーズを把握し、生産プロセスを効率化する。何よりも、ビジネスを持続可能にするためには、ものづくりをAIとくっつけることが絶対不可欠だと思います。それは単純に物販じゃなくなるということ。

サブスクリプションという言葉が他の業界の話だと思われがちですが、日本は7割とか8割ぐらいが今物販の世界です。クラウドロニクスが前提になることによって、物販前提じゃなくなるんですよ。サブスクリプションというのは、モノもサービスもセットで提供する。サービスで提供するものが、これからのものづくりですよ。

これから自分たちのものづくりを根本からひっくり返さないと、もう多分やっていけなくなるぞ、というのが今日のものづくりが本質的に変わるという話です。

サービス業化する製造業:テスラとAppleの教訓

田中 剛
日本の強さである長く使える品質が、逆に新しい技術を入れにくくして生産性を落とす原因になっていました。それをサブスク型で、使いながら新しいものに変更していくという変化が必要になる。

田中 栄 氏
まさにその通りです。携帯電話が良い例で、ハードを買うけど、ずっと通信料を払ってサービスもくっつけてもらう。その会社とずっと仲良く付き合いたいかという話になってくると、今まで大したことなかったブランドとか信用がないとできない。その裏側には、単にかっこいいというイメージだけじゃなくて、ちゃんと進化し続けるぞという前提があるからです。

テスラが評価されている理由も、車を単なる物販じゃなくて、自動運転をサブスクにしている点です。AIはどんどん進化してくるから、車を単に売り切りじゃなくて、その後サブスクで勝負するというのを最初に見極めたのが彼らです。

田中 剛
売ったら終わりだったものが、売った後も顧客とコミュニケーションを取り続け、継続的なアップデートによって価値を提供し続けるサービス業になっている。

田中 栄 氏
継続的なアップデートがないと、もうお客さんと付き合えない。「金払えないわ」という話になってしまう。売って終わりじゃないという世界が今車の中でまさに起こっていて、それがでもあらゆる業界で今起こるということだと思います。

競争から「協調型」へ:企業の生存に必要なマネジメントシフト

田中 剛
製造業がサービス業になっていく中で、もしかしたら一社でそれを賄うことというのがだんだんできなくなってきてるんじゃないかと思いますが。

田中 栄 氏
おっしゃる通りです。Apple、マイクロソフト、Googleのような数百兆円の時価総額の会社でも、全てやるのは不可能ですよ。テスラも車もエネルギーもやっているけど、やっぱり全てをやることはできない。パートナーに任せるしかない。

グローバルが広くなりすぎ、業種・業界の境目が無くなっちゃった。産業革命と言われているもう一つの理由は、今までいろんな業界がありましたが、この産業の垣根もなくなってしまうんです。テスラは何の会社ですか?と言ったら、車会社じゃないし、ロボットの会社でもあるし、エネルギーの会社でもあるし、さっぱり分かりません、というのが答えです。

田中 剛
つまり、分散型であり、協調型の経営が必要になる。

田中 栄 氏
日本のものづくりは「良いモノさえ作ればいいんだ」というところで終わっちゃったんです。でも今申し上げたように、サブスクが社会の前提になったから、皆さんのモデルを変えなきゃいけない。

田中 剛
情報というものをインフラと同じように扱い、それを取得・流通させることが当たり前になる。集めたこれをいかに今度自社の価値を上げるためのマネジメントに振っていかなきゃいけない。

田中 栄 氏
そのデータ活用こそ、日本の強みであるアナログ的なものづくりの要素をAIと組み合わせることで、再度価値に変えていくチャンスです。これまで強みとしてきたものをデジタル化した世界に持ってくる知恵があれば、日本は本当の強みになると思います。

田中 栄 氏
アクアビット代表。未来予測レポート著者。マイクロソフトにて国内外のITビジネスに従事した後、2003年に独立。未来予測レポートの執筆を開始し、以来20年以上にわたり日本企業の中長期戦略に資する情報を提供。シリーズ累計導入実績は1600社以上。社会・技術・経済の動向を俯瞰し、10年先、15年先を見据えた未来像を描く。製造業をはじめ、自動車、通信、エレクトロニクス分野など幅広い業界で、次世代ビジネスの指針となる知見を提示している。


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