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【未来予測レポート2040先出し】その1 AIは社会をどう変える?

製造業が直面する不可避な変化と、AIが日本の未来を拓く必然性

出演者プロフィール
 ■ 株式会社アクアビット代表取締役 チーフ・ビジネスプランナー・未来予測レポート著者 田中 栄
 ■ フューチャーアーティザン株式会社 代表取締役社長 田中 剛

「過去の延長線上に未来はない」──未来予測レポートを20年以上にわたって執筆し続けてきた田中栄氏が常に強調する言葉です。今回の対談では、アクアビットの田中栄氏と弊社社長の田中剛が、『未来予測レポート2040』をテーマに、AIが社会や日本の製造業をどう変えるかを議論します。
IT業界のビジネスモデル変遷から得られる教訓、日本の製造業におけるAI活用の必然性、そして未来予測を「変えられる仮説」として捉える重要性など、過去の延長線上にはない新しい時代を生き抜くヒントを深く掘り下げます。2040年、AIが人間の思考プロセスに踏み込み、ASI(汎用超知能)が誕生する未来を、ただ漠然と恐れるのではなく、備えるためのヒントが詰まった対談です。

↓↓YouTubeで全編を観る↓↓
https://youtu.be/LF-edNKDUj8?si=_hHbkAt1N5vcYVDw

IT業界の「物販」から「サービス」への大転換

田中 剛
今回、
5年ぶりとなる『未来予測レポート2040』を出されるということで、まずは自己紹介をお願いします。

田中 栄 氏
アクアビットの田中栄と申します。私の仕事は
10年先、15年先の未来を予測する、ちょっと変わった仕事をしており、もう20年以上やっています。以前はマイクロソフトにいました。

田中 剛
そのマイクロソフトも今やAIでもCopilotを含めて引っ張り、大きく変化しました。田中さんがいらっしゃった頃のマイクロソフトは、今の姿を想像できていましたか?

田中 栄 氏
いや、想像はしていませんでしたね。私が辞めた頃は、まだずっとWindowsと言っていて、もう一つのピークが過ぎたなと。当時はパソコンから携帯電話に変わって、今でいうクラウドが出始めたところで、「もう時代が終わったな」と思ったのが正直なところです。それがまさか今みたいにクラウドであんなに生まれ変わるとは想像していませんでした。

私がいた頃のマイクロソフトは、Windowsを売る「物作り」、「物販」だったんですよ。今やクラウドを始め、デジタルサービスになってきた。

田中 剛
メインフレームやハードウェアがあり、ソフトウェアをお客様に届けていくところから、ユーザーが本当に使っていく世界に変わったというのは、多分一番早い業界なんじゃないかと思います。

田中 栄 氏
おっしゃる通りです。僕らがいた頃の営業は本当に典型的な営業で、予算を見て最後の決算時期になったらお客さんに接待して、仲良くなって買ってもらう、というやり方でした。ただ、デジタルサービスになって、要するにサービス業になったらそこへは行かないですよね。実際に使ってもらわないとしょうがないので、お客さんに寄り添うフェーズに全く変わっちゃったんです。

日本の製造業にAIが「最も効く」必然性

田中 剛
我々が注視するのは日本の製造業です。日本の経済、サプライチェーンを考えると、製造業の成長がものすごく重要になってきます。輸出の8割以上は製造業が担っている国ですから。こうした製造業が成長していく中で、IT業界の変化が一つヒントになるかと思います。そして、今日のメインテーマであるAIです。私は、日本がAIの恩恵を最も受けられる国なんじゃないかと思っています。

田中 栄 氏
必然性がありますからね、AIを使う。

田中 剛
日本はやはり人口が減っていく国で、過去、人口が伸びている時は、読み書きできる人をたくさん市場に出せばそれが労働力となり経済を支えていました。しかし、今どんどん人口が減っていく。世界では人口が増えていく国がたくさん出てきていますが、日本だけが少子高齢化というものを最初に体験できる国です。

AIという未来は、こういう環境の大きな変化が起きてくるところに、一番実は効くんじゃないかと思いますが。

田中 栄 氏
ただ今、高齢化してなかなかこう目が向かない、あるいは「俺は別にいいや」みたいな人たちがあまりに多くなってしまっています。しかし、今おっしゃったように、環境としては日本が一番(AIを)入れなければならない。人が減る、特にものづくりがこれからどうなるか分からないという中で、やらざるを得ないというのは、本当にご指摘通りだと思います。

未来予測は「変えられる」仮説である

田中 剛
今回、5年ぶりにリリースされる『未来予測レポート2040』について、トピックス的に特徴的なところを少しお話いただけますか。

田中 栄 氏
未来予測レポートというのは、10年先、15年先をやっていて、中長期戦略とか新規事業を立案するための基礎であり土台です。シリーズ累計で今1600社以上に使っていただいています。

私の未来予測の特徴は、「未来のテーマというのは過去の延長線上に未来はない」なんですよ。「新しい社会が始まるんだ」ということです。今まさに、新型コロナやロシア・ウクライナ紛争、イスラエルの話、アメリカでの政権交代など、とんでもない出来事が起こって、先行きが読めない。だからこそ、今までのベースで3年先、5年先を考えるのはまずい。先を見据えた上でバックキャストで考えましょう、というための前提として未来予測が必要だと感じていらっしゃるんです。

田中 剛
先が読めない時代だからこそ、未来予測が改めて必要だと。

田中 栄 氏
未来予測は、僕いつも言っているんですけど、変えられるんです。何千億、何兆円といった会社であれば、会社の役員さんたちが「どうなるんだ」と言ったら、「あなたが何やるかで決まりますよ」という話で、強い意志のある会社がそっちへ行くと決めて、世の中にニーズがあるんだったら変わりますよ。未来は変えられるんですよね。

田中 剛
確実性の高い仮説でも、それに向かって今から準備しなきゃいけないことは何かと考えておかないと、全然違うことが起きた時に結局対処できない。そういう意味では、未来を予測する一つの仮説を受け入れるというのは、すごく重要なポイントなのかと思います。

田中 栄 氏
予測なんて、間違えたら変えるだけです。誰かの意思によって変えられるものだ、ということを前提にした方が、僕は楽しいと思います。

AIが示す「新しい時代の読み書きそろばん」

田中 剛
過去にやってきたことに積み上げてこれをやる、というのは、過去が今後も一生ベースとなることが前提の考え方ですが、20年後、30年後と見たら、なくなるものが出てくるんじゃないかなと思います。例えば、インターネット元年(1995年)に「なくなるかもしれない職業」として営業が入っていましたが、カタログ販売のような営業はなくなっても、課題解決を提案する営業は今も必要です。

田中 栄 氏
今のお話で、「読み書きそろばん」の話をされましたが、昔はそろばんが社会人の基礎でした。私がマイクロソフトに入った時にパソコンができて、「デジタルデバイド」という言葉が出た。パソコンが読み書きそろばんになったわけですよね。そこから今、AIがまさに新しい時代の読み書きそろばんになっています。

ちなみに、私がマイクロソフトにいた時、Excelの担当者に「こんなのやめてくれ、経理がなくなるから」と本気で言われました。でも実際、経理はなくならないじゃないですか。そろばんがExcelになっても経理の仕事はなくならない。AIになっても、人間のやる本質は変わらないものになるのかなと思います。

田中 剛
一方では、Chat GPTなどに口で言えば「こんなコード書いて」みたいなことを言って、普通に書いてくれる。コーディングはもうできちゃうというので、今生産性が爆上がりしているというのも起こっています。

田中 栄 氏
今の話ですと、考えるところも今AIが入ってきちゃったということですよね。人間の思考なんか、もうはるかにロジックさえも何言ってるかわからない、結果だけ正しいことが分かるという世界が、もう2040年に来ちゃうとなります。

田中 栄 氏
アクアビット代表。未来予測レポート著者。マイクロソフトにて国内外のITビジネスに従事した後、2003年に独立。未来予測レポートの執筆を開始し、以来20年以上にわたり日本企業の中長期戦略に資する情報を提供。シリーズ累計導入実績は1600社以上。社会・技術・経済の動向を俯瞰し、10年先、15年先を見据えた未来像を描く。製造業をはじめ、自動車、通信、エレクトロニクス分野など幅広い業界で、次世代ビジネスの指針となる知見を提示している。


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