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インテントAIが拓く「ワクワクする」ものづくりの新常識その3

インテントAIがもたらす意思決定の変化

出演者プロフィール
 ・青山学院大学 地球社会共生学部 教授 学部長 / ビジネスコンサルタント / 音楽家 松永エリック・匡史 氏

 ・フューチャーアーティザン株式会社 代表取締役社長 田中 剛

本対談では、インテントAIが製造業の意思決定プロセスと効率性にどう貢献するかを議論します。インテントAIは、受注前段階の「将来ニーズ」を予測することで、プラットフォーム戦略や共通部品化を促進し、結果として効率を高めます。さらに、過去のデータや他社の事例に依存しがちな日本の製造業に対し、インテントAIがもたらす未来思考のデータを基に、経営層が直感的かつ迅速に決断することの重要性を強調します。

↓↓対談の全編はYouTube にて公開中↓↓
https://youtu.be/5RHikI6GV1k?si=9dUtBCM844W40iAw

目次[非表示]

  1. 受注前プロセスを変えるインテントAIの効率性
  2. インテントAIを製品設計に活かす
  3. 過去の事例依存から脱却し、直感を信じる
  4. 新しい過去と懐かしい未来:体験を売るものづくりへ

受注前プロセスを変えるインテントAIの効率性

エリック 氏
企業がアプローチしようとした時に、どのタイミングで何を出せばいいのかというのは、企業のインテントが分かれば先読みできるわけじゃないですか。インテントAIは、全ての購買プロセスを壊すようなものもやるべきだと思っています。

田中
製造業は、どちらかというと効率化というところが強みで、今は効率化して確実にいいものを作らなきゃいけないことに囚われすぎている。インテントデータって受注前じゃないですか。

例えば、今こんなものが世の中的に求められているだろうから、おそらくこんな受注が来た時にこういう在庫の構えをしといた方がいいんじゃないか、みたいな。

エリック 氏
効率的という意味では、僕はインテントの活用は効率的になると思っています。将来いいものが来るものが分かっていたものを作っているのなら、次の世代まで含めた共通部品とか共通なプラットフォームを持っていれば、実はすごい効率性が高い。しかもマーケットにインする時間が短くできます。

共通のものを持つことはやっぱり在庫を持たないことじゃないですか。そういう意味でそのプラットフォームの部分でAIを使って、そのプラットフォームの部分を厚くしていくというのをやっていくと、結果的には効率化になると思うんです。

インテントAIを製品設計に活かす

田中
そこで言っているプラットフォームというのは、例えば車でいうとシャーシのようなものですよね。
今後バッテリーがどんどん進化していくことを踏まえ、その需要に対応できるよう、あらかじめこうした構造のシャーシにしておくべきではないか、という考え方です。

エリック 氏
そういう意味で言うとなんか設計側にも反映できるよね。

田中
そう、製品設計。お客さんが商品企画して製品設計する中で、まずやるのは大体他社のラインナップを見て、自社と比べて足りないところを強化したり、こういうのがニーズあるからこれも入れなきゃいけない、みたいな過去情報なんですよね。

過去情報からやってる限り、もしかしたらトップランナーの二番煎じ以降にしかならなくて、逆に他がやってないことを打ち出すようなところにインテントを使えたら面白いんじゃないかな。

エリック 氏
例えばレンズメーカーのシグマは、もともとキヤノンやニコンの互換レンズを手がけていましたが、現在では「シグマのレンズそのものが欲しい」と選ばれる存在になりました。本体はキヤノンでもニコンでも、好きなものを使ってください、という発想に戦略を真逆に転換したわけです。
本体はキヤノンを使うがニコン使うが好きなものを使ってくださいという戦略に真逆に移しました。彼らは「こういうものが欲しいだろう」というものを先に出しているんです。彼らは「ユーザーは次に何を欲しがるか」を先回りして形にしてきたんですよね。

過去の事例依存から脱却し、直感を信じる

エリック 氏
一般的に大手は、ニーズがある程度はっきり見えてから商品を出しますよね。
それに対して彼らは、ニーズわかんなくても、もしかしたら山木社長の感性によるものかもしれませんが、ユーザーのインテントを的確に捉えていた。そういう意味では物の売り方も変わってきてるんですよね。

インテントAIってある意味、お客に向き合ってるってことなんです。競合他社の分析して、なんか新しいものが出ると思ってんのか?と思う。本来の製造業じゃなくなってると思うんですよ。

田中
事例を紹介してくれって言われるケースがやっぱりすごく多い。違うものを作るって発想にもう一回変えていかないと。事例を学ぶのはいいことなんだけども、逆に言ったら真似なので、それ以上に価値を出そうと思うと、効率化を徹底して安くするとか。

エリック 氏
でも、本質的に最初のところの方が強いわけじゃないですか。最初を作り出すためにインテントを使うというのがすごい説得力がある。

田中
直感的に「これはいける」という判断をしていかないと、今の時間軸だともう間に合わない。その判断力という意味で言うと、インテントAIがもたらすものというのは、もしかしたらその意思決定をするために、未来思考のデータみたいなものを渡せる。その上でそれを想像力と確信みたいなもので意思決定していく。

新しい過去と懐かしい未来:体験を売るものづくりへ

エリック 氏
日本はこれまで、さまざまな分野で素晴らしいものを生み出し、多くのイノベーションを創出してきました。それを新しいものとして捉えられるか、というのが一つなんです。だから僕は「新しい過去」と呼んでいます。

イノベーションを作るというのは未来じゃないですか。僕の仮説は、未来に懐かしさを感じるんじゃないかと思っています。だから「新しい過去、懐かしい未来」というのは、僕は製造業の方に申し上げていきたい。新しいものが出た時に、「なんか心打たれるな」みたいなものがあるかどうかというところは、未来を選ぶ時にすごく大事です。

海外でエクスペリエンス(体験)って言うじゃないですか。自動車会社のエクスペリエンスセンターも、体験なんです。商品じゃないです。商品というのはあくまで体験させるための媒体であって、体験ベースでモノを作っていかなきゃだめです。

例えば、昔のデジカメやチェキが売れている。彼らは画素の低いカメラを体験したことがないんです。僕らは0からだったので、悪いものから良くなってきているから、いいものが全て正しいってなってきているけど、彼らが体験してないのは、ぼやっとした写真です。

その体験が彼ら、彼女らにとってワクワクするかというところにあって、製造業はそのワクワクに対して製品を作るというサイクルにしていく。そこでワクワクをインテントで救って、その後はまさに技術力ですよ。

田中
ワクワク感とか感性とか、そういったものをいかに仕事の中で作り出していくかというのが、すごいキーワードなのかな。

松永エリック・匡史 氏
1967年、東京生まれ。青山学院大学大学院国際政治経済学研究科修士課程修了。幼少期を南米やニューヨークで過ごし、15歳からプロ・ミュージシャンとして活動。米国バークリー音楽院でJAZZギターを学ぶ。大手メーカーのSE、AT&Tを経たのち、コンサルティング業界へ。アクセンチュア、野村総合研究所、日本IBM、デロイト トーマツ コンサルティングなどを経て、PwCコンサルティングでは日本におけるデジタルサービス部門を率いてデジタル事業を立ち上げる。2018年よりONE NATION Digital & Mediaを立ち上げ、大手企業を中心にデジタル変革(DX)のコンサルを行う。2019年より青山学院大学 地球社会共生学部(国際ビジネス・国際経営学) 教授に就任。2023年から同学部 学部長。

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