
インテントAIが拓く「ワクワクする」ものづくりの新常識その2
インテントAI×デザイン思考で価値を創る
出演者プロフィール
・青山学院大学 地球社会共生学部 教授 学部長 / ビジネスコンサルタント / 音楽家 松永エリック・匡史 氏
・フューチャーアーティザン株式会社 代表取締役社長 田中 剛
本対談では、「インテントAI」をデータ駆動ではなくインテント駆動へのパラダイムシフトとして捉え、その活用法を深掘りします。特に、まだ言葉になっていない人々の「ワクワクインテント(感情的な意図)」を脳波データなどから抽出し、企業のビジネスチャンスを先読みする可能性について議論。また、インテントAIによって生成される膨大な情報を「アートの世界」のように解釈し、非連続的な価値を生み出す人の役割の重要性を強調します。
↓↓対談の全編はYouTube にて公開中↓↓
https://youtu.be/aROAEJrtIv4?si=pLA2tt2uIzzMo44L
データ駆動からインテント駆動へのパラダイムシフト
田中:
インテントの幅が非常に広いことが分かりましたが、その使い方という意味で言うと、過去はデータ駆動型、つまり過去の情報を元に考えるところだった。今のインテントは、過去データではなく、兆候として何かが起きている。つまり、過去データ駆動ではなく、インテント駆動にパラダイムが変わっていくということですね。
エリック 氏:
確実にその情報になってます。もうだから全てがインテントデータがベースになって動くような、いろんなプロセスが変わってくるというのは、もう確実にくると思います。
これはもちろん企業がアプローチしようとした時に、どのタイミングで何を出せばいいのかというのを、企業のインテントが分かれば先読みできるわけじゃないですか。しかも、誰も言ってないのに、実はうちの主力製品のことが関わるものをやろうとしてるかもしれない。そしたらそこに行けばいい。
田中:
我々の世界で言うと、お客様の中期経営計画(中計)を見て、書かれてる将来像に向かってディスカッションする。しかし、本当に欲しているのは、まだ中計には書けていないけれども興味を持っているような領域です。今ない答えを一緒になって考えてほしい、というニーズの方が大きい。
「ワクワクインテント」が市場を大きく変える
エリック 氏:
僕は一番注目しているのは脳波なんです。脳波というものが本当に取られるようになってくると、ある検索をしている時にワクワクしていたり、むかついていたりというのがわかるわけですよ。そうすると、まさにワクワクしているものだけの集積をすると、実はこれがワクワクインテントになる。
田中:
なるほど、ワクワクインテント!
エリック 氏:
これが分かると市場は大きく変わります。今のところは通常、ネガティブなことを検索するんで、それが分からない。これがどんどんスマートデバイスなどが出てきた中でもう取れるようになってきてるんです。
最近、大手のコンサル会社は、もう脳波のビジネスに移っているんです。これはまずスポーツ。何百億円という年収を取っている選手が、なぜPKが成功するか。彼らは脳波をコントロールできている。これをトレーニングとして科学的にできれば、第二、第三のロナウドが作れるわけですよ。
田中:
最初は、その選手たちがどういう時にどういう脳波を出せていて、その脳波を出すためにはどんな準備をしていけばいいのか、みたいなものをトレーニングに盛り込んでいく。
エリック 氏:
そう、その時にインテントデータが必要なんです。PKをやる時に他のこと考えてるかもしれないじゃないですか。腹減ったなとか、お腹痛いなとか。そこまで情報が入ってくると大きく変わってくる。

人の役割:データ解釈と非連続的な価値
エリック 氏:
これからのインテントデータの先というのは、いかに多くのデータを取れるか。あともう一つ、ビッグデータと同じなんですけど、来たデータをどう解釈して、それをどう結論付けるかというのは、ほとんど小説とかアートの世界なんです。
田中:
そこは人じゃなきゃだめ。
エリック 氏:
アートはAIで再現できます。かなりすごいものができます。絵もそうだし、音楽もそう。でも、僕は言いたいのは、そこそこのアーティストは全員いなくなるんですよ。これいいことだと思っています。大したことない人たちが曲作ってるなと思っていたんで。
これが起こると、ここにできない非連続的なすごい人というのが立ってくるわけですよ。この時何が起こるかというと、まさに差別化が起きて価値化が起きるから、むちゃむちゃ金が取れる時代が来るんですよ。だからアートという意味では、本物のアートが出てくるのはこれからだと思っています。
田中:
昔エリックに教えてもらった時に、実は音楽ってロジックなんだと。
エリック 氏:
ロジックです。ただ、形式知化するのは大事なんだけど、それを体に覚え込ませて、そこから初めてアートって生まれると思ってるんで、そこは最低限必要なところ。ただ、それをAIがやってくれちゃうんで、ある意味そこの最低限だけでやってるアーティストはいらなくなる。
田中:
逆にただ取ってくるデータそのものも、今までの過去データじゃなくて、これからの兆候データから取れるようになってくるということは、すごいことになると。
効率化の罠と「ワクワク」への回帰
エリック 氏:
誰が当たるかなんてわからなくて、ただ大事なのはやっぱりトライアンドエラーを繰り返すことが企業の力だと思うんですよ。そこから見つけたものというのは、他の企業だとやっぱり真似できない。それが企業の色であり特徴でもあるんで、僕はいい流れだと思います。
田中:
昔、デザイン思考が流行った時、あれってみんながやるとだんだん同じものが出てきてしまう。アーティスト思考はやっぱりその意思のあるプロダクトアウトだと思ってて。それが兆候データから取れるようになってくるということはすごいことになります。
エリック 氏:
効率的という意味では、僕はインテントの活用は効率的になると思っています。将来いいものが来るものが分かってたものを作ってるのと、今しか見てなくて今の効率化ばっかりだと、次の時代になった時使い物にならない。
昔の製造業ってワクワクしたじゃないですか。なんか知らないけどモノ見てるだけでワクワクする。僕が最近気づいたのは、ラジカセが今アメリカで流行ってるんです。当時のエンジニア、デザイナーには「俺はこれを作るんだ」という魂が入ってるから、すごいパワーがある。
だから製造業もある意味マーケット主導になっちゃって、なんか「こんなもの作れば売れるよ」っていうロジックになっちゃってる部分が、もう一度元に戻されるという意味では、僕は日本の製造業の復活のキーになるんじゃないかな。
田中:
ワクワクインテントじゃないけども、やっぱ本当に欲しがってるのはこういうものでしょって逆に言い切ってあげる。
エリック 氏:
まさしく強い思いのあるプロダクトアウトがそこです。見た時に「やっべ、それだよ」というそのもう直感的なもの。全ての購買プロセスを壊すようなものも、インテントAIがやるべきじゃないかなと思っています。
松永エリック・匡史 氏
1967年、東京生まれ。青山学院大学大学院国際政治経済学研究科修士課程修了。幼少期を南米やニューヨークで過ごし、15歳からプロ・ミュージシャンとして活動。米国バークリー音楽院でJAZZギターを学ぶ。大手メーカーのSE、AT&Tを経たのち、コンサルティング業界へ。アクセンチュア、野村総合研究所、日本IBM、デロイト トーマツ コンサルティングなどを経て、PwCコンサルティングでは日本におけるデジタルサービス部門を率いてデジタル事業を立ち上げる。2018年よりONE NATION Digital & Mediaを立ち上げ、大手企業を中心にデジタル変革(DX)のコンサルを行う。2019年より青山学院大学 地球社会共生学部(国際ビジネス・国際経営学) 教授に就任。2023年から同学部 学部長。
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